27卒高専生「自身の進路決定に、親や家族の意見は影響するのか?」

進路に関する意思決定において、親や家族とのコミュニケーション頻度や影響度合い、そして親が重視する進路先の要素について、計148名の学生を対象に調査を実施しました。
本結果から、最終的な進路選択が個人の問題にとどまらず、家族との関係性や価値観が密接に関わっている実態が浮き彫りになりました。
【TOPICS】
(1)4割以上の学生が日頃から家族と進路について会話
(2)家族の意見が進路判断に「影響する」と感じる学生は7割超
(3)家族が進路先に求める要素は「安定性」「金銭面」「環境」
(1)4割以上の学生が日頃から家族と進路について会話

親や家族と進路について話す頻度について、「よく話す」と回答した学生は42.6%、「ときどき話す」が41.2%と続き、全体の83.8%が親や家族と進路についての会話をしていると回答しています。
一方で「あまり話さない」は14.2%にとどまり、「まったく話さない」はわずか2.0%でした。
このことから、学生の多くが進路について家族と継続的にコミュニケーションを取っており、相談ベースで方向性を決めている傾向が見て取れます。
(2)家族の意見が進路判断に「影響する」と感じる学生は7割超

最終的な進路判断において、家族の意見が「非常に影響する」と回答した学生は26.4%、「やや影響する」と回答した学生は46.6%で、計73.0%の学生が進路判断において家族の意見を採り入れていることがわかりました。
一方で「あまり影響しない」と回答した学生は20.9%、「まったく影響しない」と回答した層は6.1%と、少数派となっています。
家族の考えや期待が学生の意思決定に与える影響は無視できない水準であり、企業側も「学生本人に対する認知の向上」だけでなく「親が安心できる職場環境の訴求」も重要となります。
(3)家族が進路先に求める要素は「安定性」「金銭面」「環境」

親や家族が学生の進路先に求めていそうな要素としては、「安定性」が最も多く53.4%、次いで「金銭面(給与・学費)」が50.7%となり、この2つの要素が半数を超えていました。
そのほか「環境(社風・校風)」が41.9%、「福利厚生」が36.5%、「場所(勤務地・所在地)」が33.8%といずれも横ばいの回答となった一方で、「知名度」は18.2%と最も低い結果でした。
この結果から、保護者が重視するのは単なる「知名度」ではなく「安心・安定・経済性」の3点に集約される傾向が読み取れます。
採用活動を行っていくにあたり、学生本人の意思を尊重することは大前提ですが、その意思決定には家族の価値観や安心感が密接に影響しています。
特に経済的安定性や福利厚生、OB・OGの活躍実績・離職率などからみる就業環境は、親の視点から見た「信頼できる企業」の指標になっていると考えられます。
今後の採用広報においては「家族が気にする情報」を意識しながら、学生家族からの信頼も得ることで、中途離脱や志望度の強化につながる可能性があります。
■調査概要
・調査時期:2025年6月15日
・調査機関:株式会社rita
・調査対象:高専コミュニクエスト キャリア交流会への参加者(高専本科4年生、専攻科1年生)
・有効回答数:148件
・調査方法:Web上でのアンケート調査
※各項目の数値は小数点第二位を四捨五入し小数点第一位までを表記しているため、択一式回答の合計が100.0%にならない場合があります。