27卒高専生「約8割が進路選択を見据えてインターンシップへ参加」

27卒高専生(本科4年生および専攻科1年生)を対象に実施したインターンシップにまつわるアンケート調査では、昨今の高専生は「将来の進路選択の参考」や「企業理解」を目的としてインターンに参加する学生が多いことが分かりました。
また、インターン先を選ぶ際には「専攻との適合性」や「プログラム内容」を重視する傾向が見られ、高専生が実務に直結するリアルな経験を重視していることが明らかになりました。
【TOPICS】
(1)インターンシップ参加目的の最多は「進路の参考にしたい」が約8割
(2)インターンシップ先を選ぶ際のポイントは「専攻との適合性」と「内容の充実」
(3)学生・企業の双方にとって、インターンシップはますます重要な位置づけに
(1)インターンシップ参加目的の最多は「進路の参考にしたい」が約8割

インターンシップに参加する主な目的として最も多かったのは、「将来の進路(就職・進学)を考える参考にしたいから」(77.7%)でした。
次いで多かったのは、「企業や業界について理解を深めたいから」(71.6%)と「インターン先の企業に興味があるから」(58.1%)となっています。
このことから、多くの高専生が将来を見据えた「進路先の検討」や「企業・業界研究」を行うための活動としてインターンシップを活用していることがうかがえます。
また、「実務経験を積みたいから」(35.1%)や「履歴書やポートフォリオに書ける経験を増やしたいから」(12.2%)といったキャリア形成に直結する目的も見られ、スキル獲得志向も一定の割合で存在しています。
(2)インターンシップ先を選ぶ際のポイントは「専攻との適合性」と「内容の充実」

インターン先を選ぶ際に最も重視されていたのは、「仕事内容が自分の専攻・スキルに合っているか」(62.2%)と「コンテンツの内容」(同率)でした。
専門性の高い学びを積んできた高専生にとって、自身の技術や関心にフィットする実習内容が求められていることがわかります。
併せて「交通費・宿泊費支給の有無」(58.1%)といった条件面についても、過半数を超える回答となり、インターンシップへの参加を左右する重要な要素となっていました。
特に地方学生が多い高専生にとって立地的な観点からどうしても遠方からの参加になってしまうことから、金銭的・心理的ハードルを反映した結果であることがうかがえます。
一方で、「インターン実施の頻度・日数」や「対面かオンラインか」といった実施形式に関する要素は相対的に低く、内容や条件の実質的なメリットが重視されていることがわかります。
(3)学生・企業の双方にとって、インターンシップはますます重要な位置づけに
今回の調査結果から、高専生にとってインターンシップは「単なる単位取得のための活動」や「学校・他人に勧められたから行うもの」ではなく、将来を見据えた自発的な動機から「進路先を具体的に考えるための重要な機会」として考えられていることが明確になりました。
したがって、企業としてはインターンシップを通して自社の魅力を訴求するためにも「進路決定に資する情報提供」や「専攻分野にリンクする実務体験」「業界や企業文化の可視化」を意識したコンテンツの検討が求められます。
また、交通費支給などの受け入れ体制や、学生の関心を引くテーマ設定など、学生にとっての参加ハードルを下げる工夫も重要な鍵となっていることがわかりました。
今後、インターンシップはますます重要な学生との接点機会となり、高専生にとって“納得感のある体験の提供”が、採用広報につながる重要なポイントとなることが予想されます。
■調査概要
・調査時期:2025年6月15日
・調査機関:株式会社rita
・調査対象:高専コミュニクエスト キャリア交流会への参加者(高専本科4年生、専攻科1年生)
・有効回答数:148件
・調査方法:Web上でのアンケート調査
※各項目の数値は小数点第二位を四捨五入し小数点第一位までを表記しているため、択一式回答の合計が100.0%にならない場合があります。